旅するように学ぶ

仕事のこと、夫婦のこと、子育てのこと。日々感じたことや学びをつれづれと。

2016年に読んだ204冊のうち読んでよかった本5冊<子育て編>

 2016年の読んだ本まとめです。

 

昨年と一昨年のまとめはこちら。

 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

2016年のビジネス・キャリア編をまとめた10冊はこちら。

 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

では、ここから、子育て編の5冊をご紹介します。

 

①子育てのパラドックス「親になること」は人生をどう変えるのか ジェニファー・シニア

子育てのパラドックスーー「親になること」は人生をどう変えるのか

子育てのパラドックスーー「親になること」は人生をどう変えるのか

  • 作者: ジェニファー・シニア,高山真由美
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2015/12/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 子育てをしていてモヤモヤすることの調査結果や理論がまとめられた1冊。

これから親になる人にぜひ読んでほしいです。

詳しくはまとめた記事も書いてみましたのでぜひ。 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

 

②フランスはどう少子化を克服したか 高橋順子

フランスはどう少子化を克服したか (新潮新書)

フランスはどう少子化を克服したか (新潮新書)

 

子どもの教育では、最近はフィンランドやオランダなどが話題ですが、少子化という子どもと親の環境という意味では、フランスの事例はとても参考になると思います。

 

こちらもブログでまとめています。 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

③結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 筒井淳也

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

 

子育てのパラドックスは、アメリカを中心とした、子どもと親の話ですが、こちらは日本を中心にした家族の歴史。セットで読むと、子育ての今につながる文脈の見え方が少し変わるのではないかと思います。

 

④ルポ父親たちの葛藤 仕事と家庭の両立は夢なのか おおたとしまさ

 

ルポ 父親たちの葛藤   仕事と家庭の両立は夢なのか (PHPビジネス新書)

ルポ 父親たちの葛藤 仕事と家庭の両立は夢なのか (PHPビジネス新書)

 

我が家は比較的、夫の家事育児参加率が高いので、ワーキングマザーの次にくるであろう「ワーキングファザー」の問題にも私はけっこう問題意識があります。というか、女性よりも男性の方が根深い問題だと思っています。

この本の視点は、これから政府主導の働き方改革が進み、男性の育児参加が進む中でより問題が顕在化してくるのだと思います。育児に参加したいけど、けっこうしんどいパパと、パパに育児に参加してほしいママ、お互いによむと理解し合うキッカケになるのではないかと。 

 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

 ⑤Aさんの場合 やまもとりえ

Aさんの場合。

Aさんの場合。

 

 唯一の漫画です。去年は仕事の関係もあって、漫画をたくさん読みました。子育て系の漫画も書籍・ブログ含めてたくさん読みました。(204冊に漫画をすべて含むともう少し読書数が増えます)その中でイチオシがAさんの場合です。

働くママと、独身OL。お互いの立場の違い、すれ違う様子になにかハッと気付かされるものがあると思います。

 

 

 

子育てのモヤモヤが言語化。親になる人に読んでほしい「子育てのパラドックス 親になることは人生をどう変えるのか」

昨年、夫婦で参加したNPOマドレボニータのイベントで登壇された慶応SFC・SVP東京の井上先生が紹介されていた「子育てのパラドックス」、その場でAmazonでポチッとして一気に読みました。
 

母になって2年。いろいろともやもやしていたことが、本の中で様々な研究結果や理論として説明がされていて、もう読みながらずっと力強くうなづきまくった1冊でした。

 

・実際のところ、子どもとの暮らしを始めるとなると、どんなに用意周到な人でも準備できることはほとんどない。
 あらゆる種類の育児書を買い、友人や親類を観察し、自分自身の子どもの頃を思い出したりはできる。
 だがそうした仮の体験と現実の子育てとのあいだには、何光年もの隔たりがある。
 (中略)
 親になるというのは、大人の生活においてまさに青天の霹靂なのだ。
 

という風に始まるとおり、子どもが生まれる前に読んで理解をしていれば子育てがうまくいくわけではないと思うけれど、それでも知っておくことで、ちょっとでも準備ができたり、すっごく悩んでしまう前にこの本に出てくるエピソードを思い出して、私だけじゃないんだって思えたりはすると思うので、これから親になる人にぜひ夫婦で読んでほしいなと思い、ご紹介します。 

 

子育てのパラドックスーー「親になること」は人生をどう変えるのか

子育てのパラドックスーー「親になること」は人生をどう変えるのか

  • 作者: ジェニファー・シニア,高山真由美
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2015/12/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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1966年社会学者のアリス・ロッシはこの唐突な変化を論文に
「親への変化」と名付け、子どもをもつというのは、結婚前の恋愛や、それまでの人生において受けた職業訓練などはまったく共通点のない体験であると述べている。
赤ん坊は脆く謎めいた状態で100%依存してくるのだから、と。

「親になる」という時、私たちは、出産の流れを学んだり、赤ちゃんの服を用意したり、赤ちゃんのオムツ替えや沐浴の練習はするのに、親になる自分がどう変化するのか、そしてその変化にどう対応するのかについてはまったく考えることがないのです。

これは子育てが始まった時に、赤ちゃん中心になり、母親自身も周囲の人も産後の母親の心身のケアについて優先順位がさがってしまうということにもつながっているのではないかと思います。

体の変化のない父親は特に「親になる」という変化にそもそも気づきずらいかもしれません。

 

これから親になる人、そして今必死に子育てをしている人たちが知っておきたいことは、現在の「子育て」は昔とは違うということ。
少し長いので、書籍から引用しつつ少しまとめました。
 
■3つの大きな変化
1.選択 
・夫婦が子どもの人数やいつ子どもを生むかを調整できるという贅沢を手に入れた
・慣習からあるいは経済的に必要だから、あるいは家族や地域社会へのギリがあるからという理由(もしくはその3つ全部)から子どもをもっていた

2.仕事
・1日の仕事が帰宅したあとまでずっと続くようになった
・大部分の母親が職につき、労働市場への女性の浸透が家庭生活のルールを大きく置き換えた
・現代の父親は今までのどの世代よりも育児に熱心ではあるが、仕事との両立において妻と同じように苦労している
・その結果、家庭内に苛立ちがつのる。 
 
3.子どもの役割の変化(何よりも子育ての現実を変えた要因)
・第二次世界大戦後、家庭においても社会においても「子供時代」の意味が完全にかわった
・子どもは労働力だった(兄弟の面倒をみたり、畑で働いたり、工業が発展してくると鉱山や繊維工場、缶詰工場、露店などで働いた)
・子どもは働くのをやめ、親はそれまでの倍働くようになった 子どもは従業員からボスになった
・子どもは役立つ存在から守るべき存在に
・家族の経済は親が住む場所と食事を与え、その見返りに子が家計の一部を支えるという相互依存のシステムの上に成り立たなくなった
・今日の親は今までのどの世代の親よりも多くの資本を(感情面でも)子どもに注いでいる
 
 
この3つの理由を読んでみると、なぜ今子育てがしんどいのか、働きながら子育てするのが大変なのか、モヤモヤの正体が少し見えるような気がします。
 
だから、少し上の世代の人たちと子育ての状況は違う、価値観も常識も変わっている。
それをちゃんと頭にいれておくことで、周りからの「子どもがかわいそう」みたいな心えぐられるような言葉に振り回されにくくはなるのではないかなと思います。

 

子育てのパラドックスーー「親になること」は人生をどう変えるのか

子育てのパラドックスーー「親になること」は人生をどう変えるのか

  • 作者: ジェニファー・シニア,高山真由美
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2016年に読んだ204冊のうち読んでよかった本10冊<ビジネス・キャリア編>

 あっという間に2017年ということで、今年も去年読んだ本をまとめておきたいと思います。

 

ちなみに去年、一昨年の読んでよかった本はこちら。 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

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 今年は、読んでよかった本をピックアップしてみたら15冊になったので、ビジネス・キャリア系の10冊と子育て系の5冊を分けてご紹介です。

 

なんだか毎年言ってる気がしますが、どの本も読書記録としてブログでもまとめておきたいなと思いながら、Evernoteに抜書きをメモするだけで精一杯でした。。

 

①心に静寂をつくる練習 吉田典生

心に静寂をつくる練習

心に静寂をつくる練習

 

 マインドフルネスが流行った2016年。この本もマインドフルネスの思想がベースにあります。「スペース」の概念は、子育てと仕事でキャパオーバーしていた私にとって大きな視点変換となりました。週休3日にチャレンジしたのも、自分と家庭にスペースをつくるという考え方をしています。

 

②下り坂をそろそろ下る 平田オリザ

下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)

下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)

 

 

今年は平田オリザさんの「わかりあえないことから」も読みました。どちらも良書ですが、この本は今の時代をどう生きるか、俯瞰的な視点を得られると思います。

 

③LIFE SHIFT リンダグラットリン

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

 

 

12月に入ってから、2017年のビジョンを考えるために読んだ一冊。既に今年の目標を考えたりしている方もいると思いますが、これからの時代の流れをなんとなくイメージしながら今年の目標を考えるのと、過去からの延長線上で今年の目標を考えるのでは進む方向も変わります。

人生の固定観念をシフトさせる一冊。ぜひ今年の目標を考えるのとセットで読んでみてください。

 

④内向型人間の時代 スーザン・ケイン

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

 

 こちらは2016年の始め頃にストレングスファインダーでも「内省」が入っていたり、内向的な部分があると自覚しているので読んでみました。

なるほどと思ったのは、人格の文化→性格の文化という変化の中で、「性格」というもの事態が最近生まれた考え方であるということ。

以下引用です。

・20世紀にアメリカ人は「人格の文化」から「性格の文化」に変容した
人格の文化では、思慮深く、規則正しく、高潔な人物が理想とされる
他人にどんな印象を与えるかよりも、自分がどうふるまうかが重要視される

・性格(personality)という言葉は18世紀まで英語にはなかったし性格がいい(good personality)という言葉は20世紀に入ってから広まった考え方
 性格の文化が広まるとアメリカ人は、他人が自分をどうみるかに注目するようになった。目立つ人やおもしろい人が人気を得るようになった

 

⑤走ることについて語る時に僕の語ること 村上春樹

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

 

 

そもそもエッセイを読むのが苦手でそれは村上春樹のエッセイも同じでした。なのですが、エッセイだけど読めると思えたのが、走ることについて語るときに僕の語ることでした。村上春樹さんのストイックな取り組む姿勢みたいなものには刺激を受けます。

 

小学生の頃には水泳チームで毎日5~6キロ泳いでいて、中学では駅伝の学校代表として走り、バスケをやる中で毎日のコンディショニングをずっと意識してきたので、この下りはとても共感するし、あぁスポーツも仕事も一緒だなと腑に落ちた瞬間でした。

我慢強く距離を積み上げていく時期なので、今のところタイムはさほど問題にはならない。
ただ黙々と時間をかけて距離を走る。
速く走りたいと感じればそれなりにスピードも出すが、たとえペースをあげてもその時間を短くし、身体が今感じている気持ちの良さをそのまま明日に持ち越すように心がける。
長編小説を書いているときと同じ要領だ。
もっと書き続けられそうなところで、思い切って筆を置く。
そうすれば翌日の作業のとりかかりが楽になる。
アーネスト・ヘミングウェイもたしか似たようなことを書いていた。
継続することーリズムを断ち切らないこと。
長期的な作業にとってはそれが重要だ。
いったんリズムが設定されてしまえば、あとはなんとでもなる。
しかし弾み車が一定の速度で確実に回り始めるまでは、継続についてどんなにきをつかっても気を使いすぎることはない。

 

読むと、走るか泳ぐかしたくなり、散文まで書いてしまいました(笑)

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⑥自分らしいキャリアの作り方 高橋俊介

自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)

自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)

 

昨年の8選に選んだ本ですが、2年連続で選出。今年の後半に入り、改めてキャリアを考える機会があり、再読したのですが去年とは少し違う部分で響くこともあり、今年も読んでよかった!と思った本でした。今後も読み返すことになりそうです。

長時間労働なども話題ですが、バリバリ働くことや出世することがよいことだという言説に違和感を感じている方に読んでほしい1冊。

今の時代の価値観型キャリアや家庭を個人を中心としたキャリアの考え方を知れると思います。

 

⑦チームのことだけ、考えた 青野慶久

 

チームのことだけ、考えた。―――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか

チームのことだけ、考えた。―――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか

 

 

多様な働き方の考え方で先進的な取り組みをされているサイボウズの青野社長の本。去年は何度かお話を聞かせていただく機会もありましたが、これからの時代の人事の考え方はきっとこうなっていくだろうなと思っています。

ライフシフトでは、「単純で予測可能なシステムは運用しやすいから画一化を好む人事と柔軟性と選択肢を求める個人の欲求が画一性と予測可能性を求める企業の都合を突き崩す」ということも書かれており、人事・会社側の考え方を変えていく必要性が言われていますが、まさにサイボウズは画一的ではない人事制度をスタートされているので、これからの取組みも気になります。

 

⑧みんなに必要な新しい仕事 吉岡マコ

私自身、産後にとてもお世話になったNPOマドレボニータ代表吉岡さんの一冊。

 

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ソーシャルセクターの事業で、どうビジョンを持ち、どうスケールアウトさせていくのかとても刺激を受けましたし、実際に参加した教室で行われていたプログラムがものすごく綿密にデザインされているその裏側を知って感動しました。 

 

個人的に刺さったのはこの部分でした。

マドレボニータの目標は「産後ケアが当たり前の世界になること。すべての人に産後ケアが届けられるようになること」
この目標を達成するために、これまでの「エッジの効いたメッセージ」をコントロールして万人に受けるようにすべきではという議論が出てきます。
「来る人を選ぶ」ことと「すべての人に」ということが矛盾しているのではないかと。
それに対して私の意見はこうです。そこに矛盾はない。「来る人を選ぶ」から拡大できないということではない。
万人受けするものではなく、どこかにひっかかりを残すようなエッジの効いたメッセージを発しているからこそ、拡大の道が開けるのだと。

⑨スノーピーク 好きなことだけ!を仕事にする経営 山井太

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営

 

マドレボニータのスケールアウトもそうなのですが、「理想をどうビジネスにするか」ということは2016年に悩んだことでもあり、スノーピークの 「ローカル、ブランディング、コミュニティー」の戦略はワクワクしながら、とても参考になりました。

 

⑩やりたいことをやるというビジネスモデル 遠山正道

やりたいことをやるというビジネスモデル―PASS THE BATONの軌跡

やりたいことをやるというビジネスモデル―PASS THE BATONの軌跡

 

 年末に家族で行ったリゾナーレ八ヶ岳。夫と息子が二人でプールに行ったつかの間の1人時間にBOOKS&CAFEで、手に取り読んだ1冊です。スープストックトーキョーの遠山さんが、リサイクルショップ「パスザバトン」を立ち上げるストーリー。

冒頭の「ビジネスは手段。やりたいことが主語。」という一説にしびれました。

 

 

今年も200冊くらい読めるといいな~。

今年もよい本に出会えますように!

「フランスはどう少子化を克服したか」を読んで、日本の子育てを考える

高崎順子さんの「フランスはどう少子化を克服したか」は、2016年に読んで少子化対策に成功したフランスの政策だけでなく、具体的な産前産後のケアや保育園事情がイメージしやすい1冊でした。

 

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フランスはどう少子化を克服したか (新潮新書)

フランスはどう少子化を克服したか (新潮新書)

 

 

子どもを産む、そして育てるためにまずは親の「働く」の部分を支援すること、そして子どもの保育と教育の支援をすることが、安心して子どもを産めることにつながるのだなと感じました。

 

以下、読んでみてのまとめです。

 

■フランスの少子化の歴史

・第二次世界大戦後、女性が労働力として社会にでるようになってから先進国のほとんどで出生率がぐぐっと落ちていく
・フランスも1970年代半ばまでは出生率2.00以上(人口が減らず、国の大きさを維持できる指標)をキープしていたが70年台後半に2を割り、1993年に1.66まで落ち込んだ
 
→働きながら子どもを産み、育てることの難しさは、今に始まったことではない
 両立が難しくなった時、女性は子どもを持つことより、キャリアの継続を選ぶ傾向
 
・それを受けフランス政府は1990年代より「男女がもっと平等に、仕事と家庭、両方の責任をよりよく果たせること」を掲げ家族政策を方向転換した
 
■フランスの家族政策の大方針
フランス社会保障の家族政策に関する資料には「仕事と家庭の両立」を柱に掲げ、”今日女性の就業率が高い国は、高い出生率を示している。親たちが子どもの教育にしっかり携われるような方策を提案し、女性を職にとどまらせておくことは出生率を高い数字で維持し、長期的には世代の更新に貢献し、ひいては経済成長、社会制度の安定につながる”
 
■子育てがしやすい社会へ
・家庭内での男女同権を進める制度
 ー子育てのサポートを提供し、母親が出産後も働き続けるようにすべし、そのためには父親も家庭に参加せねばならぬ、と明確に打ち出した
 
・父親の産休
・お父さんの育児をサポートする助産師
 ー赤ちゃんの誕生後の入院帰還中、産婦人科でお世話のイロハを教える
 ー誕生前の妊娠期間中にも「男を父親にする」活動
 ー父親のケアの重要性は年々あがっている
 
・フランスの出産準備クラス=子の誕生と親になるにあたっての準備クラス
 ー妊婦だけでなくそのパートナーの男性も対象
 ー出産を控えたカップルに子の誕生とその子を向かえるための準備を促す、父親母親それぞれの必要と要望に対応する
 ー出産に伴い、カップル間で起こりそうな問題を事前に探知する
 ーそれぞれのカップルに寄り添う。カップルに弱点があり、誕生する子との親子関係に問題が発生する可能性が見られる場合は事前スクリーニングし対応する
 ー情報や指標を与え、カップルが「親」になる作業を支援する。親子関係の構築や子どもが育つために必要な物資、教育、愛情面での必要性について
 ー妊婦とそのパートナーをめぐる産前産後の医療関係者との連携を推進する
 
 
■フランスの保育園事情
 
大方針としての考え方として「保育園は子どもが育つための場所だけど、保護者の負担を軽減するための場所でもある」
保育園はあくまで集団生活の場であり、保育園で過ごす時間、子どもたちがそれぞれ尊重されていることと愛情を受けていると感じられるようにすること。自宅以外の場所で他者との生活から知覚の目覚めを促すこと。それ以外のことは二の次という考え方。
 
そのため、保育園は以下のようなスタイル。
 
・エプロンは支給
・洗濯も園がする
・ストロー付きカップも毎日園の食器洗い機で洗ってもらう
・おむつは園から支給
・おむつかえはウンチがない限り午前1回午後2回
・お昼寝の掛ふとんもシーツも園の支給で園で洗濯
→おむつの持ち帰りもない
→おむつに名前を書かなくていい
・連絡帳はなしで朝夕とも口頭で話す
・保護者会はない
・年に1回の説明会
・年に1回の個人面談
・年に2回の季節行事(クリスマスと年度末のお祭り)→保護者は招待
・入園式卒園式もない
 
■フランスは3歳から「保育学校」に通う
・3歳に年の9月から全入の保育学校が始まる
 そのため、3歳児以上には待機児童が存在しない
 保育手段の確保が必要なのは産休明けから保育学校まで最長で3年
 その期間限定の感覚が、1つの保育手段にとらわれない柔軟性を後押し
 保育園以外の受け皿が充実しているから保育園におちても悲壮感や焦燥感がない
・3歳4歳5歳全員に無償教育
・就学率ほぼ100%
・教材や文豪具も学校から支給
・入学条件は2つ
 ある年の1月から12月に生まれたこども
 1おむつが取れていること
 2入学希望を出すこと
・週24時間 始業は8時半前後、終業は16時前後
・通学は手ぶら 毎日の持ち物はなし
・決まった教材はなく、授業の進め方や教室の使いかも担任に一任
・保育学校では生徒になることを学ぶ、学校という場所を知る
・集団生活が苦痛にならないよう無理強いしない、やりたい気持ちを抱かせる方向にもっていくことが最も重要視されている
 
 
まとめここまで。

 

日本の少子化対策もどんな順番で、どこに力を入れるかはポイントになりそうですが、フランスの事例を読んでやはり政策として行う「予算」が何よりも大きいのだろうなと思います。

だけど例えば今、日本でもフランスと同じように6歳からの義務教育を3歳からにして無償化するとなった時、そこに必要な予算はとても大きいはずで、当事者としてそういったことも理解してきちんと行動していかなければ実現できないことだなと改めて感じました。

 

世界の他の国の方針や政策を知る上でとてもまとまっていてよい本でした。

 

フランスはどう少子化を克服したか (新潮新書)

フランスはどう少子化を克服したか (新潮新書)

 

 

古市さんの「保育園義務教育化」と合わせて読むと、もう少し拾い視点で、日本で具体的にできることがイメージできる気がします。

 

保育園義務教育化

保育園義務教育化

 

 

 

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「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

 

 

2016年は「産後を卒業」した1年だった

明けましておめでとうございます。

 

年末エントリを書こうと思いながら、あっという間に年末年始が過ぎ去ってしまったのでもう2017年ですがちょっと振り返りをしておきたいと思います。

 

というか、振り返り自体は 12月の前半に有給をとって夫婦で1日時間をつくって振り返っていて、できたこと、できなかったこと、新しい習慣、辞めた習慣などなどこんな1年だったなぁというのはあるのですが、それを文章にするというのはやっぱりまた違うものだと思うのです。

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一言でいうとどんな1年だっただろうかと考えてみると「産後を卒業した1年」というのが1番しっくりくるかもしれないなぁと思っています。

 

2016年を振り返ると、

・会いたい人に会いに行く

・行きたい学びの場に学びに行く

・やりたいことをやる

ということがとてもたくさんありました。

 

妊娠するまでは当たり前にやっていたけれど、妊娠して3年近く我慢したりあきらめたりしてなかなかそんな行動ができなくなっていたけれど、息子が2歳になってやっとチャレンジできるようになってきたのです。

 

仕事の面でも、産後初めて何件かの出張に行って、そのうち1回は宿泊込みの出張で、産後初めて家を空けて1人で寝る(一人暮らしの時には当たり前だったのに)ということもありました。業務内容も大きく変化し、人生の中でもまったく経験のない分野の仕事にチャレンジすることになり、子育てしながら仕事しながら、新しいインプットとして学ぶというハードな状況で、産後とかワーキングマザーとかいろいろ言い訳するのはやめて、1人のビジネスパーソンとして取り組んだ気がします。

 

夫婦としても、夫が新たなチャレンジをすることになり、パートナーシップのスタイルがちょっとバージョンアップしました。

 

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子どもが生まれて「かわいい」と「もうやだ」の激しい落差で、自分に余裕があればかわいいけれど、新生児期の寝不足や、1歳半から始まったイヤイヤ期にはかなりエネルギー不足になっていたのですが、2歳半を過ぎてなんとなくイヤイヤ期を卒業した息子は、絶賛かわいい時間が増えてきました(笑)

 

息子の成長という物理的な変化はもちろんありますし、同時に私の精神的な変化もけっこう大きかったんじゃないかなと思っています。

 

妊娠・出産そして始まった産後。

自由きままだった「私」に、「母」という役割が増えて、初めての子育てに戸惑い、子育てしながら働くことに葛藤した2年半を経て、やっと少しだけ、母になった「私」のバランスみたいなものがとれるようになってきたのかなと。

 

それも家族や応援してくれる仲間たちのおかげ。感謝しながら、2017年も過ごしていけたらなと思っています。

 

今年もよろしくお願いします。


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