旅するように学ぶ

仕事のこと、夫婦のこと、子育てのこと。日々感じたことや学びをつれづれと。

母になって私の「働く意欲」は下がったのだろうか?

 先日、ワーキングマザー向けのあるアンケートに答えていたら、はて、これにはどう答えたらいいのだろうかと手がとまってしまう出来事がありました。

 

簡単に言うと

子どもが生まれて、あなたは働く意欲が下がりましたか?

というような質問で、あがったからさがったまで5段階くらいで答えるもの。

 

そもそも働く意欲ってなんだろう?

ママの働く意欲の話では、出産後に責任のない仕事に業務転換することで意欲がさがる、いわゆるマミートラックという現象があると言われています。

 

私自身、職場復帰するタイミングで特にやりたい仕事でもない繁忙期の少ない部署に異動になり、とてもがっかりした経験があります。数日間はへこんで退職が頭をよぎったりしましたが、今までの経験をいかせるはずと切り替えて勉強をして前向きに取り組むことができました。

 

「意欲」ってなんだろうと調べてみると、

 進んで何かをしようと思うこと。また、その心の働き。(コトバンク)

 ということ。

自分から勉強して、改善提案して取り組んでいた私は意欲がなかったわけではありません。

 

働く意欲と働く時間の関係

じゃあなんで私はアンケートで自信をもって「意欲はさがらなかった」と答えられなかったんだろう。

 

考えてみると、気持ちや姿勢としては今までと変わらず「よりよくなるように」という前向きな気持ちで仕事をしていたけれど、残業はまったくしなくなったし、息子の体調不良や保育園の行事の時は仕事を休み、働く時間は圧倒的に減っています。

 

周りからはコミットしているとは思われていないかもしれない、意欲がないと思われても仕方ないという気持ちはぬぐえない、そんな自信のなさが自分で意欲があると言い切れなかったのかもしれないと気がつきました。

 

そこにあるのは「働く意欲=時間的なコミット」という価値観。

仕事に意欲はあっても、時間的なコミットができないことで、会社の中ではなんとなく肩身がせまく感じてしまうことがあります。

 

そもそも働く意欲は必須なのだろうか?

 そしてふと思ったのが、働く意欲って必要なのかということ。

会社が「働く意欲=時間的なコミット」を求めている間は、子育てしながら意欲をもって働き、活躍するということは本当に高い壁になってしまいます。だから、時間ではなく成果をみること。

 

そして、個人のキャリアの観点から言えることは、自分のキャリアを会社任せにしないこと。職場復帰以外でも、意に沿わない配置転換というのは起こり得る出来事です。だからこそ、復帰前から自分の状況や働き方や仕事の希望をきちんと伝えることはとても大切だと思います。

 

仕事の意欲は優先順位とは別物 

 冒頭のアンケートに答えながら、私がだした結論は、仕事への意欲は変わらないけど、優先順位が変わったということでした。

 

仕事への意欲は変わらない。時間的な制限があることで、今の方が意欲的に仕事に取り組めるようになった。

でも、優先順位は変わった。妊娠する前は、責任があるから仕事を優先するべきだと思っていた。だけど、育休を通して自分がいなくても会社は回るという当たり前のことに気づいた。そして、子どもが生まれて家庭の優先順位はあがった。

 

会社よりも家庭が大事なのは、仕事に意欲がないという人もいるかもしれない。

でも、愛と同じように意欲という気持ちは、比較ではなく個別の対象について語られるべきであると思う。

 

仕事か家庭かの二択ではなく、仕事も家庭もどちらも意欲的に大切にしたい。

 

きっとそれが、今、働く多くの親たちの気持ちなのではないだろうか。

 

だから、今度また「出産して働く意欲は変わった?」と聞かれることがあったら、胸をはって「働く意欲も家庭を大切にする気持ちもどちらもすごく高まった」と答えたいなと思っている。

 


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 息子と一緒にハマっている「標本の本」。

京都大学の総合博物館の地下にある260万点もの非公開の標本たちがアートブックのようにデザインされて、理系じゃなくてもワクワク楽しめてとても楽しい1冊。

 

標本の本―京都大学総合博物館の収蔵室から

標本の本―京都大学総合博物館の収蔵室から

 

 

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