旅するように学ぶ

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新しいことを始める時の違和感は、万年筆の使い始めと似ている。

万年筆を使うようになって2年がたとうとしている。

それまでは10年以上、超極細→スタイルフィットのブルーブラック0. 28を使っていて、これを超えるペンはないと思っていたのだけど、2年くらい前に万年筆を使い始めたらその滑らかな書き心地が気持ちよすぎてメインのペンが万年筆にスイッチする事態となった。

 

そして最近新しい万年筆を導入した。万年筆は書き心地はとてもよい。だけど、個人的な好みは細字なのだ。でも、細字の万年筆といっても太さは1.0くらい。そんな時、0.2のカートリッジ式の万年筆を発見した。気になったけど残念ながら、試し書きができるようにはなっていなかった。簡易万年筆タイプで、普通にボールペンを買うのと変わらないくらいの金額だったから、試してみようと思って買ってみることに。

 

初日、苦戦した。

ペンの角度が定まらず全然書けなかった。万年筆ってこんなに書くのが難しかったっけと戸惑い、楽しみにしていた新しい万年筆でうまく書くことができなくてかなりがっかりした。

それから数日、なかなか思うように書けずに、1~2行試しては、あきらめて普段使いの万年筆に切り替えるようになっていた。

それが、1週間くらいたつと、この角度だ、とすんなり書き始められるようになり、その角度をキープして書けるようになってきた。やっぱり細字はいいなぁと思ったけれど、普段使いのものに比べると書き心地が固めで、うーん、せっかく万年筆を使うならやっぱりいつもの万年筆の滑らかな書き心地の方がいいなぁ、この万年筆は使いきったらリピートはなさそうだと思っていた。

 

それから数ヶ月。リピートはしないと思っていた細字の万年筆のカートリッジを追加で購入した。

使いきるまでと使っているうちに、万年筆の書き心地がどんどん変わっていったのだ、それも劇的に。書けば書くほど、万年筆のペン先は馴染んできて、書き心地もしっくりくる滑らかさを感じられるようになった。もう、この角度だぞ、この角度をキープするんだぞ、というような緊張感もなくなり、パッとキャップをとれば何も考えなくても、ピッタリの角度で書けるようになった。

今、新しい万年筆は、ずっと前から知り合いだったかのように、私のノートに収まっている。そんなわけで、カートリッジを追加購入し、これからも使っていこうかなと思っている。

 

 

新しい万年筆を使い始める時は、新しいことを始める時に似ている。

 

新しい期待にワクワクしながら始めるのに、始めてみると今までとは違う圧倒的な違和感に、これはやっぱり違うかもしれないと感じる。

続けていると、ああめんどくさい、やっぱり違う、前の方がよかった、そんな気持ちが出てくる。そして大概、ここでやっぱりやーめた、となってしまうことが多い気がする。

 

でも、この「やっぱちがうわ」という風に思いながらちょっと続けてみると、意外と「ちょっといいかも」という瞬間がやってくる。

 

まぁ続けてみてやっぱり違うと思ったらやめたらいいのだけど、やっぱり違うと思ってから、その「やっぱり違う」の正体を探しながらちょっとだけ続けてみてみるというのは、新しいことを始める時に忘れずにいたいなと思ったのでした。

 


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