職場に中途採用で新しく人が入社してきた。
そうなったら、皆さんの職場ではどんなイベントが行われるでしょうか。
歓迎会=飲み会の文化
職場によって様々な文化があるだろうけれど、歓迎会をしよう!と飲み会が設定されることも多いのではないでしょうか。
歓迎会として事前に幹事が指名されて企画される場合や、暗黙の了解で初出社の日夕方くらいになるとじゃあ今日行くかとなる場合もあるのでは?(私はそんな上司の元で働いていた時期があります)
私は新入社員の受け入れをしたことも自分自身が新入社員の立場だったこともあり、ずっと「歓迎会」は当たり前であり、歓迎会といえば飲み会を指すと思っていました。
ランチ歓迎会が普通に変わった時
それが変わったのはほんの2~3年前、自分のチームのメンバーに制約をもつメンバーが複数人所属するようになった時のことです。
それまでは歓迎会や打ち上げなどは当たり前に「飲み会」で、仕事の山を終えてみんなで残業した日にはそのままプチ打ち上げと称して飲みに行くことも多かったのです。
しかし、4~8人のチームのうち半数弱がなんらかの制約をもつメンバーになりました。結婚したり、妊娠したり、親になったり、シングルになったり、通院で服薬をしていたり。みんなそれぞれの事情があり、チームで歓迎会をするとなった時、みんなが参加しやすい方法を考えると、自然と歓迎会はちょっといいお店で「ランチ歓迎会」になり、普段は夜が難しいメンバーがこの日なら行けるから夜がいい!という時は飲み会にする、という形に変わったのです。
自分が制約ある少数派になってわかったこと
それから何年かたち、私自身も出産しママ社員となり、飲み会に参加するには家庭内での調整が必要な立場になりました。
異動したこともあり、チームのメンバーは独身の若手がメイン。子どもがいる人はほとんどいません。歓迎会に限らず、飲み会が発生します。
私はその飲み会の重要度と家庭の状況に合わせて出欠を検討し、参加する時には夫の協力を得て参加をしています。それについてまぁ仕方ないなと思っていました。
しかし最近、お子さんのいる女性が入社することが 決まり、当たり前のように歓迎会しなきゃね!夜に行ける日を確認しよう!という流れを聞いてとてもモヤモヤしました。
夜いつでも行けないことはわかっていて、行ける日を確認するというのは親切そうにみえて、でも結局独身で子どもがいなくて制約がない人の当たり前を押し付けることなんじゃないかと思ったのです。
振り返ってみると、ランチ歓迎会をするようになったターニングポイントは、制約のないメンバーよりも制約のあるメンバーがメジャーな存在になった時でした。
多数派になった瞬間にふっと「当たり前」は変わるのです。
みんなが参加しやすいか?というちょっとした気遣い
そして大切なポイントだったことは、「参加しやすくする」ためにランチ歓迎会に変えたことでした。みんな無理をしたり、我慢したりすれば夜の歓迎会にも参加することは不可能ではありません。
でも、参加しにくいけど参加しなければならないからと我慢していることが積み重なることで、自分のことはわかってもらえない、自分が参加できなくてもいいと思われている、大切にされていない、という風に感じさせてしまい、結果としてチームへのエンゲージメントが下がるかもしれません。
大切なことは、夜の歓迎会に参加できる日を聞くのではなく、まずはどういうやり方だと参加しやすいのかを聞くということなのだと思います。
自分が多数派にいる時にはなかなか自分の「当たり前」の前提になかなか気づくことができないのですが・・・。
同時に、少数派の当事者になった時、自分は少数派だから仕方ないと飲み込んでしまうのではなく声をあげて知ってもらう努力をすることも大切なのだと今回気がつきました。