あっという間に2017年ということで、今年も去年読んだ本をまとめておきたいと思います。
ちなみに去年、一昨年の読んでよかった本はこちら。
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今年は、読んでよかった本をピックアップしてみたら15冊になったので、ビジネス・キャリア系の10冊と子育て系の5冊を分けてご紹介です。
なんだか毎年言ってる気がしますが、どの本も読書記録としてブログでもまとめておきたいなと思いながら、Evernoteに抜書きをメモするだけで精一杯でした。。
①心に静寂をつくる練習 吉田典生
マインドフルネスが流行った2016年。この本もマインドフルネスの思想がベースにあります。「スペース」の概念は、子育てと仕事でキャパオーバーしていた私にとって大きな視点変換となりました。週休3日にチャレンジしたのも、自分と家庭にスペースをつくるという考え方をしています。
②下り坂をそろそろ下る 平田オリザ
今年は平田オリザさんの「わかりあえないことから」も読みました。どちらも良書ですが、この本は今の時代をどう生きるか、俯瞰的な視点を得られると思います。
③LIFE SHIFT リンダグラットリン
12月に入ってから、2017年のビジョンを考えるために読んだ一冊。既に今年の目標を考えたりしている方もいると思いますが、これからの時代の流れをなんとなくイメージしながら今年の目標を考えるのと、過去からの延長線上で今年の目標を考えるのでは進む方向も変わります。
人生の固定観念をシフトさせる一冊。ぜひ今年の目標を考えるのとセットで読んでみてください。
④内向型人間の時代 スーザン・ケイン
こちらは2016年の始め頃にストレングスファインダーでも「内省」が入っていたり、内向的な部分があると自覚しているので読んでみました。
なるほどと思ったのは、人格の文化→性格の文化という変化の中で、「性格」というもの事態が最近生まれた考え方であるということ。
以下引用です。
・20世紀にアメリカ人は「人格の文化」から「性格の文化」に変容した
人格の文化では、思慮深く、規則正しく、高潔な人物が理想とされる
他人にどんな印象を与えるかよりも、自分がどうふるまうかが重要視される・性格(personality)という言葉は18世紀まで英語にはなかったし性格がいい(good personality)という言葉は20世紀に入ってから広まった考え方
性格の文化が広まるとアメリカ人は、他人が自分をどうみるかに注目するようになった。目立つ人やおもしろい人が人気を得るようになった
⑤走ることについて語る時に僕の語ること 村上春樹
そもそもエッセイを読むのが苦手でそれは村上春樹のエッセイも同じでした。なのですが、エッセイだけど読めると思えたのが、走ることについて語るときに僕の語ることでした。村上春樹さんのストイックな取り組む姿勢みたいなものには刺激を受けます。
小学生の頃には水泳チームで毎日5~6キロ泳いでいて、中学では駅伝の学校代表として走り、バスケをやる中で毎日のコンディショニングをずっと意識してきたので、この下りはとても共感するし、あぁスポーツも仕事も一緒だなと腑に落ちた瞬間でした。
我慢強く距離を積み上げていく時期なので、今のところタイムはさほど問題にはならない。
ただ黙々と時間をかけて距離を走る。
速く走りたいと感じればそれなりにスピードも出すが、たとえペースをあげてもその時間を短くし、身体が今感じている気持ちの良さをそのまま明日に持ち越すように心がける。
長編小説を書いているときと同じ要領だ。
もっと書き続けられそうなところで、思い切って筆を置く。
そうすれば翌日の作業のとりかかりが楽になる。
アーネスト・ヘミングウェイもたしか似たようなことを書いていた。
継続することーリズムを断ち切らないこと。
長期的な作業にとってはそれが重要だ。
いったんリズムが設定されてしまえば、あとはなんとでもなる。
しかし弾み車が一定の速度で確実に回り始めるまでは、継続についてどんなにきをつかっても気を使いすぎることはない。
読むと、走るか泳ぐかしたくなり、散文まで書いてしまいました(笑)
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⑥自分らしいキャリアの作り方 高橋俊介
昨年の8選に選んだ本ですが、2年連続で選出。今年の後半に入り、改めてキャリアを考える機会があり、再読したのですが去年とは少し違う部分で響くこともあり、今年も読んでよかった!と思った本でした。今後も読み返すことになりそうです。
長時間労働なども話題ですが、バリバリ働くことや出世することがよいことだという言説に違和感を感じている方に読んでほしい1冊。
今の時代の価値観型キャリアや家庭を個人を中心としたキャリアの考え方を知れると思います。
⑦チームのことだけ、考えた 青野慶久
チームのことだけ、考えた。―――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか
- 作者: 青野慶久,疋田千里
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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多様な働き方の考え方で先進的な取り組みをされているサイボウズの青野社長の本。去年は何度かお話を聞かせていただく機会もありましたが、これからの時代の人事の考え方はきっとこうなっていくだろうなと思っています。
ライフシフトでは、「単純で予測可能なシステムは運用しやすいから画一化を好む人事と柔軟性と選択肢を求める個人の欲求が画一性と予測可能性を求める企業の都合を突き崩す」ということも書かれており、人事・会社側の考え方を変えていく必要性が言われていますが、まさにサイボウズは画一的ではない人事制度をスタートされているので、これからの取組みも気になります。
⑧みんなに必要な新しい仕事 吉岡マコ
みんなに必要な新しい仕事: 東大卒25歳、無職のシングルマザー、マドレボニータを創業する
- 作者: 吉岡マコ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/10/30
- メディア: 単行本
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私自身、産後にとてもお世話になったNPOマドレボニータ代表吉岡さんの一冊。
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ソーシャルセクターの事業で、どうビジョンを持ち、どうスケールアウトさせていくのかとても刺激を受けましたし、実際に参加した教室で行われていたプログラムがものすごく綿密にデザインされているその裏側を知って感動しました。
個人的に刺さったのはこの部分でした。
マドレボニータの目標は「産後ケアが当たり前の世界になること。すべての人に産後ケアが届けられるようになること」この目標を達成するために、これまでの「エッジの効いたメッセージ」をコントロールして万人に受けるようにすべきではという議論が出てきます。「来る人を選ぶ」ことと「すべての人に」ということが矛盾しているのではないかと。それに対して私の意見はこうです。そこに矛盾はない。「来る人を選ぶ」から拡大できないということではない。万人受けするものではなく、どこかにひっかかりを残すようなエッジの効いたメッセージを発しているからこそ、拡大の道が開けるのだと。
⑨スノーピーク 好きなことだけ!を仕事にする経営 山井太
マドレボニータのスケールアウトもそうなのですが、「理想をどうビジネスにするか」ということは2016年に悩んだことでもあり、スノーピークの 「ローカル、ブランディング、コミュニティー」の戦略はワクワクしながら、とても参考になりました。
⑩やりたいことをやるというビジネスモデル 遠山正道
やりたいことをやるというビジネスモデル―PASS THE BATONの軌跡
- 作者: 遠山正道
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 2013/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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年末に家族で行ったリゾナーレ八ヶ岳。夫と息子が二人でプールに行ったつかの間の1人時間にBOOKS&CAFEで、手に取り読んだ1冊です。スープストックトーキョーの遠山さんが、リサイクルショップ「パスザバトン」を立ち上げるストーリー。
冒頭の「ビジネスは手段。やりたいことが主語。」という一説にしびれました。
今年も200冊くらい読めるといいな~。
今年もよい本に出会えますように!