最近話題になっていた社会学者・古市さんの保育園義務教育化を読みました。
NPOフローレンスの駒崎さんが絶賛していましたが、とても読みやすく、今世の中で言われていることや課題についての整理がされて、息子が生まれてなんとなくモヤモヤしていたことがきちんと整理できてスッキリしました。良書です。
我が家も保活にはとても苦労し、育休を早めに切り上げて、生後6ヶ月で認可外保育園にいれてなんとか30倍の倍率であった認可保育園にはいることができました。認可外保育園にいれて50万近くの保育料を払っての、なんとかでした。
本の趣旨としては、就学前の教育を義務化することが今の日本の課題解決につながるのではないか?ということ。
保育園義務教育化というタイトルですが、まず大切なポイントとして、ここには保育園だけでなく幼稚園も含んでおり、時間も週に1時間から柔軟に選ぶことができる、というこです。つまり、幼稚園も保育園も一時保育なども含めて、全部を義務教育の枠組みの中に入れることで、子どもを「預ける」ことのハードル(心理的なハードルも、物理的なハードル)を大きく下げることができます。
保育園を義務教育化することのメリットは、
・保育園に子どもを預ける後ろめたさが軽減する
・日本全体の教育レベルが向上する(子どもの教育は乳幼児期にお金をかけるのが効率的である)
・乳幼児期に集団生活をすることで子どもの非認知能力(意欲・忍耐力・自制心・創造力など)が育つ
・乳幼児期の教育が充実することで犯罪者や生活保護受給者が減る
ということでした。
個人的に印象に残った点は以下です。
・「努力できる」という「能力」は、子どもの頃に身につけた習慣に大きく影響される
・ベビーシッターを使うことに理解が得られなかったり、育児を外注することにこの国ではまだ抵抗感がまだまだ根強い
・非認知能力は集団の中でこそ磨かれる
・読んだ人が選べる、どちらかが正しいわけではないと知れるよう両論併記をしよう
文体は軽くて読みやすいですが、中身は充実。子育てや教育分野については、その人の体験や価値観によって「こうあるべきだ」という論も多く、もやもやすることも多いですが、こういった形で研究結果からのまとめをわかりやすくしてくれる、というのは本当にありがたいなと思います。