旅するように学ぶ

仕事のこと、夫婦のこと、子育てのこと。日々感じたことや学びをつれづれと。

子育て界隈の常識とエビデンス

第一子に比べて今回はつわりもひどかったし、妊娠後期に入った今も気持ち悪さや吐き気が続いているとはいえ、
いろいろな検査の数値でもひっかかることなく、
秋のインフルエンザと先週の風邪で体重がおちて体重増加もなんとか怒られない範囲におさまっていて、
経産婦だから健診もさらっと終わる。

そんな問題なし妊婦だったのだけど、30週の健診で逆子ですね〜と言われ、
32週になっても戻らない。

帝王切開の日にちを決めるにあたり、看護師さんたちが集まり、部長先生もお出ましになりザワザワ…
「え?逆子?」「先生、カイザーです」
「この日は?」「ここは〜〜だから…」
みたいなやりとりが行われ、
このまま逆子だった場合37週で予定帝王切開をすることになった。


逆子についてネットで調べると、体が(とくにお腹が)冷えると赤ちゃんが居心地悪くて逆子になるから体をあたためるという記事がとてもたくさんでてくる。そして「逆子が直る確率◎%!!」とうたう治療院がたくさんある。(その後数日間リタゲされた)

昔は逆子でも経膣分娩するケースもあったようなのだけどリスクも高く、現在は赤ちゃんの健康の観点から逆子の場合はほぼ帝王切開になるようだ。
調べてみると妊娠中期の逆子は20~30%で最終的に出産時に逆子のケースは3〜5%までさがるようだ。

とはいえ、実際に自分が逆子になってみると不安でお灸にいったほうがいいのかな、体が冷えてるのかな私のせいなのかな、と思ってしまう。

病院の先生に、なにかできることありますか?と小声で聞いてみたら、
「右下で寝てください(頭が右にあるため)。お灸とか逆子体操とかしたかったらしてもいいですけど、エビデンスはないので!」とさっぱりした対応。

昔は逆子体操やお灸、外回転術などで逆子をなおすことが積極的にすすめられていた時期もあるようなのだけど、そういったこと自体にもリスクがあること。
そして子育て界隈のあるあるだけど、どれもエビデンスがない。
と、病院の先生がだいぶさっぱりした感じだったので、逆に冷静に考えることができてありがたかった。

まぁ逆子だったら帝王切開。逆に入院のスケジュールが決まるから、夫も仕事の調整がしやすいし、息子のケアも準備ができると考えて直らなかったらそれも仕方ない。帝王切開の体験談を読んでいると、術後がつらそうすぎてテンションは下がるがそれも仕方ない。とようやく思えるようになった34週。
健診で逆子が直っていることがわかった。

結果的にわたしはなにもせず逆子がなおったのだけど、もし逆子体操やお灸をしていたら、そのおかげでなおったと思ったかもしれない。
だけどそれは単に3〜5%ではなかった、というだけの話で。

息子の子育てがはじまった6年前、ネットで検索して民間療法を試してみたり、余計に不安になったり、自分を責めたり、検索結果によって心をゆさぶられてつかれしまうようなことがとても多かった。

復帰をして思いがけずインターネットメディアで子育てをテーマに編集の仕事をするようになって、PVがとれても子育て中の人の不安を煽る記事はつくりたくないとずっと思ってきたし、WELQ事件もあって、そういった情報はだいぶ制御されるようになってきていると思っていたけれど、当事者になってみると、その不安をあおる情報というのはなかなかなくなっていないらしい。

逆子に限らず、子どものアレルギーに対する考え方や例えばキャベツ湿布など、子育ての”当たり前”は時代とともにまだ変化し続けている。
いくらGoogleさんが検索順位の表示ロジックの調整をがんばっても、古くて更新されない情報というものは残ったままで、なかなか”当たり前”がアップデートされていかないことに、なんともモヤモヤするなぁと思っています。

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