マネジメントの本質?
「マネジメント」の本質が、「Getting things done through others(他者を通じて何かを成し遂げる仕組みをつくること)」にあるのだとしたら、「マネジメントを完遂する」ということは、「明日、自分が消去したとしても、職場の物事が動くようにすること」とも言い換えることができます。
「自分がいなくなったとしても動く組織」をつくるということは言葉をかえれば、「権限を委譲」して、「バックアップ人材をはやめに用意する」、ということです。
私自身、妊娠する前までは長時間残業をしていたし、「自分がやらねば」が強くあって仕事を抱え込みがちでした。何かが発生しても、私が対応するから大丈夫だよってみんなを先に帰らせたりしてやっている気になっていた部分もあると思います。
本来のマネジメントで求められていることからすると対極のマネジメントをしていたということになります。
なぜマネージャーは権限委譲できないのか?
代替「不」可能な人材であるためには、自分しか知らない会社の情報や、自分しかできない仕事、何があっても自分が対応する(そういうスタンスである限り毎日のように「何か」は発生し続けます)ことが必要です。
代替可能な人材になってしまったら、マネージャーという役職の立場が危ぶまれるという不安や危機感、マネージャーの立場に自己陶酔しているような気持ちが権限を委譲せずひとりで抱え込むという行動を生んでいる気がします。
どうしたら自分がいなくてもよい組織をつくろうと思えるのか?
マネジャーにまず必要なのは「自分の能力に対する信頼」と「変わり続けることに対する自信」です。
たしかにそうですね。
これは、マネージャーのマインドセットの問題もありますが、組織がマネージャーに何を求めるか?という側面、マネージャー責任や役割、意味付けをどう行っていくかという面で考えさせられます。
また、私自身を振り返ってみると、必死に握りしめていた「自分にしかできないこと」を手放し、自分がいなくてもチームが回るようにしようと思ったキッカケは妊娠でした。
自分に対する自信はなかったけれど、自分の体が大切で、今までのようにいつでも何でも自分がやれるわけじゃなくなる、ということがリアルになったことで手放す「覚悟」をしました。
自分がいなくても大丈夫なことは寂しさもあったけれど、それ以上にみんなに迷惑かけたくないという気持ちと、同じように働いていてなにかあったら絶対後悔すると思っていました。
私が育休を経て得たキャリア
結果、私が抜けたあともほんのたまに電話での確認が入ることもありましたが、チームはちゃんと回りました。
復帰のタイミングで役員と面談した時に、私がいなくなることでみんなが力を合わせてがんばってくれてみんな成長したよ、と言ってくれました。自分が仕事や責任を抱え込むことで、チームメンバーの成長やチャレンジの機会を奪ってしまっていたことに気がつきました。
という状況になったこともあり、私は復帰のタイミングで別の部署に異動することになり、さらに半年後に新規事業に異動になりました。
最初は復帰の不安も強く、なんで異動しなくちゃいけないんだ、と思ってもいたけれど、今思うと新しい部署での仕事は社会人になってからの仕事人生すべてが活かせる仕事で、自分の視点をあげる機会になりました。
そして、新規事業で未経験の職種である今の仕事にチャレンジできたのも、自分がいなくてもチームが回るようにしたからこそ入ってきたチャンスだったと思っています。
役職にこだわることなく、チームで仕事をする、そんなスタイルが、キャリアを広げるのだと最近思います。
よく読み返す中原先生のマネージャー論の本。
駆け出しマネジャーの成長論 - 7つの挑戦課題を「科学」する (中公新書ラクレ)
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息子は最近買い物にいくとなにかを持ってきます。