旅するように学ぶ

仕事のこと、夫婦のこと、子育てのこと。日々感じたことや学びをつれづれと。

「保育園落ちた、日本死ね」を書いた人は怒ってるんじゃない。

先日から、ネットで話題になっている日本死ねというはてなダイアリー
 
 
だいたいこういう怒りを感じる内容のものって、読んだ後、なんともいえない気持ちになることが多いです。怒りの感情というのは、自分に対するものでなくても、自分の中にあるなにかを刺激して、怒りのスイッチが入りそうになることもあります。
 
なので、普段はあまりそういうものは読まないようにしているんですが、あまりにも身近すぎる待機児童についての内容だったこともあり、読みました。
 
読み終わったあとは、不思議な気持ちになりました。
文章だけ読むと、書いた方は怒っています。死ねとか書いちゃうくらい怒りがとまらない感じです。
 
でも、あの文章を読んで感じたのは、怒りではなく「虚しさ」と「悲しさ」でした。
 
日本死ねと言いながら、あれを書いた人の心の中には、不安がいっぱいだったと思います。
 
・保育園に入れないと復帰できない。4月からどうしたらいいんだ?
・復帰できないと収入も減ってしまう。どうきたらいいんだ?
・来年保育園に入れる保証もどこにもない。なんなら1歳入園の方が倍率は高い。
・保育園に入れなかったら、復帰どころか会社辞めなきゃいけなくかるかもしれない。
 
もう想像するだけで、私まで気分悪くなってきます。
 
我が家は、息子が3月生まれなこともあり、0歳入園は無理、難関の1歳入園にチャレンジしなければいけなかったので、復帰を早め、認可外の保育園に入れることでポイントをあげて認可保育園に入りました。
 
妊娠中、初めて認可保育園について調べ始め、4月入園の倍率の高さと、年度途中の入園はほぼ不可能という事実に、本当に驚きました。
 
認可外に預けることを決めた時にも、毎月10万×数ヶ月間という負担は大きく、微かな望みをかけて認可保育園への年度途中入園の申込みをしましたが、だめでした。
不承諾通知を受け取った時の悲しさは、いまでも忘れられません。
 
今思い返してみると、正直、私は保活うつになりかけていました。
 
なぜ、あんなに悩んだのだろうかと考えてみると、一番大きかったことは「自分ではどうにもならない」ということにつきます。
 
男性と同じように、女性にとってもキャリアは大切な問題です。それなりに考えて働いている人が多いと思います。
「キャリア」は、すべてが思い通りになるわけではないけれど、自分次第であるというのは納得しやすいです。
 
でも、保育園問題は、自分でどうにかなることが少なすぎるのです。
・保育園に入れない=自分が働くかどうかを自分で決められない
・保育園に入れない=なにかを努力したり工夫したりすることでクリアできない
 
この無力感が、保活の絶望感や、仕事やキャリアへのあきらめ、日本死ねと言いたくなる気持ちを引き起こしているのだと私は思います。
 
保育園に入れないということは、育休をとっている女性にとって、本当に大きな問題です。でも、きっと男性にとっては、そして女性でもその立場にならないと、このどうにもならない、怒りのやり場すらない気持ちはなかなかわからないかもしれません。
 
私自身も妊娠するまで、待機児童問題は知っていて大変だなぁくらいには考えていましたが、待機児童の問題がこんなにも自分の精神状態に影響する大きなことだなんて思いもしませんでした。
親になって始めて、報道される社会問題や政治と自分のつながりをリアルに感じられるようになったのです。
 
 
フローレンスの駒崎さんがおっしゃっているように、もっと身近に政治を感じて、声をあげていく必要があるんだろうなと思います。
 
 
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