旅するように学ぶ

仕事のこと、夫婦のこと、子育てのこと。日々感じたことや学びをつれづれと。

「粗大ゴミの捨て方」から考えた夫婦の家事マネジメントにおける情報の非対称性

粗大ゴミを捨てる

年末の大掃除で、持ち手の壊れたスーツケースと首振りしなくなったタワー型の扇風機を捨てることを決めた。

 

さすがにふたつとも、通常のゴミでは捨てられない。きっと粗大ゴミとして出さなければいけないんだろう。でも、今の家に引っ越してから粗大ゴミを出したことはない。粗大ゴミって別料金なことは知ってるけど、そもそもどうやって捨てるんだっけ?調べなきゃねーという会話を夫とした。

 

そして数週間後。

部屋の隅っこに置いてあったタワー型の扇風機になにかが貼ってある。よく見ると自治体名が書かれていて、「粗大ゴミ」の文字が書かれたシール。

夫に「あのシール何?」と聞くと、「粗大ゴミを捨てるシールだよ。コンビニで買えた」ということ。

 

夫にありがとう!と伝えながら、ほほーなんか区のどこかの施設に行かなければいけないと思っていたけど、コンビニで買えるんだ。便利なもんだなーと思った。

 

数日後、ご飯を食べながら夫が何の気なしに「粗大ゴミを捨てる前の日にリマインドのメールが届くんだよ、便利だよねー」と言った。

 

ん?メールが届く?

コンビニで買って貼るだけじゃないの?

 

ちょっとよくわからなかったから「なんでメールが届くの?なんか登録とかするの?」と聞いたら、「そうだよ、登録しなきゃいけないんだよ。それで、ちゃんと前日に出してねーってメールが届くみたい。親切だよね」とのこと。

 

「そうなんだ。ありがとう」と言ってその話は終わった。そして、気づいたら我が家の粗大ゴミは部屋の隅っこからいなくなっていた。

 

夫が1人で粗大ゴミを捨ててくれて思ったこと

なんだろう。不思議な気がした。有り難い話だし、これの話をママ友としたらきっと「素敵なダンナさんね」となると思う。

 

相手がやってくれたからありがとうって任せたので、このブログを書いている今この時点でも私は今住んでいる自治体でどうやって粗大ゴミを捨てるのかちゃんと理解できていない。なんとなくコンビニ行くことと、たぶんネットで登録するらしいくらいのざっくりした知識だ。まぁそのくらいわかっていれば、自分でやろうと思った時はきっとサクッとネットで調べてできると思う。でも、なんとなく次に粗大ゴミが出てきた時は、また夫にやってもらうか、もしくは夫にどうやってやるんだっけ?と聞くような気もする。

 

こういう小さな出来事が積み重なって、きっと夫婦間の情報の非対称性は高まっていく。

 

この構造って男女を反転させたら、夫婦ケンカに発展する家事のよくあるパターンな気がした。

 

「月曜日は燃えるゴミの日だって何回言ったら覚えてくれるの?」

「言われなくてもゴミくらい捨ててよ!」

ゴミ捨ての曜日や分別のルールを把握してゴミ捨てマネジメントをしている妻と、妻に今日はゴミの日だから捨ててきてと頼まれて捨てる夫。みたいなのは、きっとよくある夫婦ケンカの光景である。

 

ごみ捨ての曜日、分別の仕方、食器を片付ける場所、洗濯物のたたみ方、冷蔵庫の収納方法、保育園に持っていく準備グッズ。

 

妻がやればやるほどに、妻の情報や知識は増えていき、夫の情報は知識が一向に増えていかない。

妻がやればやるほどに、家の中の様々なルールは妻オリジナルのものになっていく。

 

なぜ夫は一向にゴミ捨ての曜日を覚えられないのか?

今回、粗大ゴミを捨てるというイベントで反対の立場になってみて思ったことは、自分でやらなくてもやってもらえるから任せたらいいなということ。やってくれてありがとうで終わってしまうということだった。

意外と男性側は、やってくれて当たり前というよりは任せた気でいるのかもしれない。

 

どうやったら夫婦間の情報の非対称性が縮まるのか?

まずは、情報を得る必要性をつくる=家事の一部ではなくて担当として任せること。

家事の一部(例えばゴミをゴミ捨て場へ持っていくこと)だけをずっとしていたら、それが役割になるのでゴミを捨てるのが何曜日なのか考える必要はまったくない。言われたら捨てたらいい、以上となってしまう。だから、その前工程も含めて、役割として担ってもらう。

 

この前段階として、声をかえるタイミングも「今日は燃えるゴミの日だから捨ててきて」だけでなく「明日は燃えるゴミの日だから、ゴミをまとめておいてね」など、当日以外にもその家事の工程があることを知ってもらうとうことがよいのかもしれない。

 

そして、1つの家事に対して全工程を1人ができるようになったら、役割を交代する。

それを繰り返すことで、夫婦ともに同じ理解で同じように家事ができるようになるし、家事の妻オリジナルルール(家によっては夫かもしれない)が、家庭の共通ルールに変わっていくのではないだろうか。

 

全部を全部同じようにできるようになるにはけっこう気を長く取り組む必要があるかもしれない。でもまぁどっちもできてた方が、なにかあった時のリスクマネジメントになるなと我が家は考えている。

 

 
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毎日ルンバさんが掃除担当だけど、たまに掃除機を出すと息子さんが掃除してくれる。

 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

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フルタイムで働くワーキングマザーでも年間200冊以上読書ができる理由

小さい頃から本を読むのが大好きで、社会人になってからは年間200~400冊くらいの本を読んでいる。

 

子どもが生まれて、本読めなくなるかなと思っていたけど、意外と読めていて去年、一昨年とだいたい200冊くらい、月に換算すると17冊くらいならフルタイムで働きながらでも読めるようだとわかった。

 

読書のスタイルは様々、読書には趣味嗜好もあるし、たくさん本を読めばいいというわけではもちろんない。

 

でも読書が趣味でありストレス解消でもある私にとっての読書数というのは、その時の自分の状態を表すKPIのようなもので、本が読めていない時は忙しかったり疲れていることが多い。逆に言えば、定期的に本を読む時間をつくることは、私にとってはよいコンディションをつくることにつながっている。

 

だから改めて、フルタイムで働いて子育てしながらでも読書を続けるためにやっている習慣を自分のために可視化しておこうと思う。

 

日本人の平均読書量は、年間12冊くらいらしいから、私のように本を読まないとストレスがたまるような人は少なそうだけど、読書しないと死んじゃうようなマニアックな一部の方にはなにか参考になるかもしれない。

 

1 いつでも本を読めるよう、手元に本を用意しておく

子育てしてフルタイムで働いていると自分の自由になる時間というのはある程度限られている。昔のように、1日ソファーでダラダラ本を読んだり、続きが気になって読んでいたら夜が明けたなんてことはそうそうできないのだ。

だから、通勤電車に昼休み、ちょっと早起きした朝、そんな隙間時間を逃してはいけない。いつでも読めるように、カバンには1~2冊の本を入れておく、家にも常に読みたい本を買ったり借りたりしておく。

 

2 手元の本の種類は2パターン以上

 その時にどんな本をよみたくなるかはわからない。でも、その時の気分に合わせて読みたい本を選べるようにしておく。私の場合だと、元気な時はビジネス書や仕事に直結する実務系の本、気分転換をしたい時には文化芸術系や旅行記などのライトな本。考え事をしたくなくて読書に没頭したい時は小説。

それぞれ常に読みたい本が本棚にあるようにして、その時々で選んで読んでいる。

 

3 図書館を有効活用する

年間数百冊すべて購入すると、電子書籍でない限り、お金も場所もなかなかかかる。だから、図書館を使う。すぐに読みたい新刊でない限りは、図書館でもそんなに問題ない。図書館で借りて手元に置いておきたい本はその後で購入することにしている。

 

おすすめは、GoogleChromeの「その本、図書館にあります。」というアドオン。Amazonの検索結果ページで、その本が登録した図書館にあるかを教えてくれてだいぶ便利。

chrome.google.com

 

私の場所は、自宅近くの図書館と勤務先近くの図書館を登録して、自宅図書館の別館ばりに使い倒している。

 

4 読みたい本はリスト化する

 昔は本屋や図書館ぶらぶらして読みたい本と出会っていた。本と出会うというのは、読書の醍醐味の一つではあるのだけれど、子どもが生まれるとなかなかふらっと本屋に行ったり図書館でぶらぶらする時間がない。

だから本との出会い方はネットが増えた。SNSで話題だったり、誰かがおすすめしている本は片っ端からEvernoteの読みたい本リストにいれていく。読みたい本には自分から出会いにいく。

小説の場合、好きなストーリー小説家をリストにしている。すっごく大好きな小説家はともかく、なんとなく好きな小説家というのはパッと10人あげたりはなかなかできない。だからリストにしておくことで、新刊をチェックしたりまだ読んでいない過去の作品を読むことができる。

 

5 図書館で予約することをリピートタスクとする

 そんなわけで、私は図書館をだいぶ活用している。だから、読みたい本を探して予約するという予定が2週間おきに自動的にリマインドをされるようにしている。その日には、読みたい本リストの本や小説家リストから図書館で本を予約する。

それによって、定期的にまだ読んでいない本が常に家にある状態ができる。

 

6 読んだ本の記録をつける

 そして、読んだ本は記録するようにしている。これはたしか大学生の頃から。記録することで、何冊読んでいるかわかるので、読むモチベーションにもなる。まぁ私の場合、記録しなくても本を読むことには変わりないのだけれど。でも、最初に書いたとおり読書量は私のコンディションチェックでもあるので、読書量の推移が可視化されることで振り返りがしやすくなる。

記録の方法は簡単で、読んだ日付、書籍名、著者名、余裕があれば感想や内容メモを一言という形。デジタル記録にしたこともあるけれど、結局アナログで手帳に読書記録のページをつくり、リストとして書くことに落ち着いている。

誰かに最近のオススメの本を教えて!と言われたときにもこのページを見ながら紹介したりという使い方ができる。

 

 

書く前からわかってはいたけれど、だいぶマニアックな内容だなーというのと、読みたい本がある環境をつくることには意外とこだわっている自分を発見した。

 

ちなみに最近の我が家の本棚はこんな感じ。


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戦略読書

戦略読書

 

 

 

自信がなくても、なんとなくやりたくなくても、まずはやってみることがキャリアの節目になるのかもしれない。

昨年末、今の会社に転職してからずっとお世話になっていた方が退任されることになった。

転職した時の面接官でもあり、直属の上司であったこともあり、私が異動してからもメンターとして定期的に面談をしてもらっていたからだいぶショック。

これまで定期的に相談をさせてもらったり、視点をあげるアドバイスをもらってきたから、これからその部分をどうやって代替しようかと考える中で、ふと久しぶりにキャリアの棚卸しをしてみようかなと思った。

 

せっかくやるなら、前職時代から10年に近くなったキャリアについてまとめてやってみようと早速ノートを開き、線をひき、年度を書き入れ、出来事を書き起こしていく。

そして、キャリアの節目をだいたい3年くらいに区切ってその期間のキャリアに名前をつけてみるという作業をしてみた。

 

これがとてもおもしろかった。

 

(このキャリアの振り返りは、ブログでも紹介した高橋先生の本にのっていたもの)

自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)

自分らしいキャリアのつくり方 (PHP新書)

 

 

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10年近く働いていたら、大変だったことも、もう一度やり直せたらもっとうまくできるのにということもある。でもそれを少し俯瞰して見てみることで、自分でも気付いていなかった出来事が意外とキャリアの節目になっている、ということがあるのだと気がついた。

 

というか、やりたくてやったことよりも、自信がなかったり、なんとなくやだなと思いながらやってみた仕事が実はキャリアの節目になっているということがわかった。

 

仕事は基本的に好きだし、同じ仕事をずっと続けるよりも、新しい仕事やチャレンジしがいのある仕事の方がワクワクするタイプな私は、上司からこれやってみない?と言われて断ったということは記憶にある限りないほとんどない。うまくできるかわからないなとか、これやったら当分残業続くなみたいなことも、まぁ自分の経験にはなるだろうと思って引き受けてきた。

 

だいたいそういう仕事は、やってみると実際に大変だ。初めての経験で、自分が勉強をしながら、手探りでやることになる。やりながら、「あー大変だ」って思う。

でも、それが後から振り返ってみると「自分の幅が広がる」経験になっているのだと今回気付くことができた。

 

私の場合、育休復帰とその半年後に2回異動をして、1年前には業務内容も変わった。そのたびに子育てしながらだと勉強する時間も前に比べてとれない・・・と悩みながらなんとか本を読んだり、セミナー行ったり、実際経験する中でやってきて、復帰から2年。

 

産休前とはまったく違う部署で、全然違う仕事をしていて、仕事の中で見る方向もだいぶ変わった。それは全然想像もしていなかったことで、正直異動のたびに、残念な気持ちにもなったけれど、長いキャリアの中でみると、このタイミングで業務の幅が圧倒的に広がったことはとてもポジティブなことなのだと思えるようになった。そして、逆に息子が産まれなかったら、今の経験はできなかったのだとも思うようになった。

 

これからもきっと、自信のない仕事や、大変な仕事はやってくる。

その時に、自信はなくても、なんとなくやりたくなくても、まずはやってみる。

 

そんなことを思い出してキャリアを広げる選択をしていきたいなと思う。

2017年は「こだわる」にこだわる1年にしたい。

今週のお題「2017年にやりたいこと」ということで、少し書いてみようかなと思います。

 

過去記事を探してみると、意外と毎年書いているみたい。

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

2017年。

育休から復帰して2年。そして、春には今の部署に異動して2年。振り返ると毎日大変だったなぁという気持ちと、私よく頑張ったなという気持ちがわいてくる。

 

仕事も子育ても家庭も「初めて」だらけで、自分の中で大切にしたいことや、譲れないこと、許容できること、がんばりどころとがんばらないところ、そんな軸とかラインみたいなもののひきどころを手探りしていて、それが最近やっと見えてきた、そんな今。

 

だから、今年は「こだわる」をテーマにしてみようかなと思う。

 

自分が大切にしたいことを大切にすることにこだわりたい。

やりたくないことや、行きたくないことに時間を使うことはやめたい。

いいと思ったことを広げたいし、こだわった企画をつくりたい。そう、今年は成果にももっとこだわりたい。

自分のコンディションを第一に選択することにこだわりたい。

 

そう、やりたいことはやる、やりたくないことはやらない。

そんな風に自分のこだわりを意識していく。

そんな1年にしたいなと。

 

迷ったとき、悩んだとき、自分がどうしたいか?どうこだわりたいか?で選択をする。

そんな風に1年を積み重ねていこう。


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 大人の書き初めのあと、息子さんも書き初めデビュー?

 

2016年に読んだ204冊のうち読んでよかった本5冊<子育て編>

 2016年の読んだ本まとめです。

 

昨年と一昨年のまとめはこちら。

 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

2016年のビジネス・キャリア編をまとめた10冊はこちら。

 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

では、ここから、子育て編の5冊をご紹介します。

 

①子育てのパラドックス「親になること」は人生をどう変えるのか ジェニファー・シニア

子育てのパラドックスーー「親になること」は人生をどう変えるのか

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  • 作者: ジェニファー・シニア,高山真由美
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2015/12/22
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  • この商品を含むブログを見る
 

 子育てをしていてモヤモヤすることの調査結果や理論がまとめられた1冊。

これから親になる人にぜひ読んでほしいです。

詳しくはまとめた記事も書いてみましたのでぜひ。 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

 

②フランスはどう少子化を克服したか 高橋順子

フランスはどう少子化を克服したか (新潮新書)

フランスはどう少子化を克服したか (新潮新書)

 

子どもの教育では、最近はフィンランドやオランダなどが話題ですが、少子化という子どもと親の環境という意味では、フランスの事例はとても参考になると思います。

 

こちらもブログでまとめています。 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

③結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 筒井淳也

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)

 

子育てのパラドックスは、アメリカを中心とした、子どもと親の話ですが、こちらは日本を中心にした家族の歴史。セットで読むと、子育ての今につながる文脈の見え方が少し変わるのではないかと思います。

 

④ルポ父親たちの葛藤 仕事と家庭の両立は夢なのか おおたとしまさ

 

ルポ 父親たちの葛藤   仕事と家庭の両立は夢なのか (PHPビジネス新書)

ルポ 父親たちの葛藤 仕事と家庭の両立は夢なのか (PHPビジネス新書)

 

我が家は比較的、夫の家事育児参加率が高いので、ワーキングマザーの次にくるであろう「ワーキングファザー」の問題にも私はけっこう問題意識があります。というか、女性よりも男性の方が根深い問題だと思っています。

この本の視点は、これから政府主導の働き方改革が進み、男性の育児参加が進む中でより問題が顕在化してくるのだと思います。育児に参加したいけど、けっこうしんどいパパと、パパに育児に参加してほしいママ、お互いによむと理解し合うキッカケになるのではないかと。 

 

tabisuruyonimanabu.hatenablog.com

 

 ⑤Aさんの場合 やまもとりえ

Aさんの場合。

Aさんの場合。

 

 唯一の漫画です。去年は仕事の関係もあって、漫画をたくさん読みました。子育て系の漫画も書籍・ブログ含めてたくさん読みました。(204冊に漫画をすべて含むともう少し読書数が増えます)その中でイチオシがAさんの場合です。

働くママと、独身OL。お互いの立場の違い、すれ違う様子になにかハッと気付かされるものがあると思います。

 

 

 

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